事故の加害者になったサイクリストが問う『それでも、自転車に乗りますか?』
自転車事故の加害者になる――自転車乗りなら、誰でもなりうることだ。筆者とその子供は、共に加害者になった経験がある。
本書には加害者となったときの状況や示談までの道のりのほか、自転車の危険性や日本の交通事故の現状、国内外の取り組みなどが書かれてある。
タイトルからは「自転車嫌いが書いた本」みたいに感じるけれど、さにあらず。筆者は学生時代から国内外を自転車で乗り回してきたサイクリストで、筋金入りの自転車愛好家。かといって、自転車バンザイ! のノリはない。冷静な目で自転車をとりまく問題と、自分自身の経験を見つめている。そこに好感が持てる。
ロードでもママチャリでも、自転車に乗るなら、加害経験のところだけでも目を通しておきたい一冊だ。
もう少し詳しく紹介
どんな本?
クルマからも歩行者からも、厄介者扱いされる自転車……このままでいいのか? 自転車礼賛ではなく、冷徹に自転車を見つめた上で、すべての人にとって「それでも乗りたい自転車」となるためには、どうすればいいのか。自転車の専門家ではない、いちサイクリストが自らの経験を元に、自転車の問題点を明らかにした上で、解決策を探る。
どんな人向け?
自転車に乗る人すべて。特に、もし事故に遭ったとき(加害者になったとき)はどうすればいいのか知りたい人は必読。
著者プロフィール
佐滝剛弘(さたき・よしひろ)。サドルの上から都市交通のありかたを考える、いちジテツー会社員。大学時代は東日本学生サイクリング連盟理事長を務め、卒論のテーマは都市交通における自転車の役割。国内外を自転車で駆けめぐり、筋金入りの自転車愛好家を自負している。
もくじ
- 序章 日本は世界の自転車先進国?
- 第一章 自転車の運転につきまとう、さまざまな障害
- 第二章 自転車はどこを走ればいいのか
- 第三章 自転車事故の加害者になるということ
- 第四章 それでも自転車に乗りますか?
- 第五章 自転車社会の先進事例
- 終章 自転車を見つめなおす
おすすめポイント
普段から車道左側を走る自転車乗りにとっては、キケン箇所・状況は、経験から充分わかっていることなので、「知ってるよ!」と感じる話も多いかもしれない。自転車界でお馴染みの著名人のトークを見聞きしたことのある人にとっては、先進事例が既知の事例かもしれない。
でも、加害者となった経験を具体的に見聞きしたことはないのではないだろうか。
事故は起こしたくないが、起こしてしまったときにどうするか。そのための心構えと備えをするために、抜き読みでもいいから、目を通すことをすすめたい。
【こちらの記事もおすすめです】
・【協力のお願い】東京都がパブコメ募集~おかしな自転車計画に魂の提言を!締切は2/23~
・サドルの上で考える