補足:どうやって意見を書けばいいの?~自転車に関するパブリックコメントについて~
この投稿は前回の記事【急募】自転車好きの方、協力してください。国交省と警察庁が意見を求めています~自転車の交通安全対策について~の補足です。
私が実際に意見(パブリックコメント)を書くときに、「こりゃ、わかりづらいな」と思ったことを、できるだけわかりやすく説明します。なにぶん足りない頭ですので、言葉も足りないかもしれませんが、ご容赦ください。
何についての意見を求めているの? 何を問われているの?
今回、国交省と警察庁は、『「自転車ネットワーク計画策定の早期進展」と「安全な自転車通行空間の早期確保」に向けた提言(案)』について、国民に意見を求めています。
【パブリックコメント:意見募集中案件詳細】
締め切りは2015年12月22日(火)です。
背景は?(ざっくりひと言解説)
「サイクリストと歩行者の命を守るため、自転車が安全に走れる道をつくろう!」という計画を立てたのに、全然進んでいない。
なので、国は改善策を考えました。この改善策(=提言案)でいいですか? という問いかけを、国交省と警察庁は国民にしています。
もう少し詳しく解説
現状:自転車事故が多すぎる
↓
課題:なぜなら、自転車が安全に走れる道がないから
↓
解決策:だったら自転車が安全に走れる道をつくろう
ここまでは3年前(2012年)に決まったことです。重要なので繰り返しますが「自転車が安全に走れる道をつくろう」という計画案は3年前に決まったことです。
しかし2015年現在、自転車が安全に走れる道はほとんど整備されていません。
なぜ、計画は進まないのか?
今回の提言は、その理由を明らかにしたうえで、3年前の計画案を修正し、自転車が安全に走れる道の「早期実現」をはかるためのものです。
国民に求められている意見は、「修正の方向はこれでいいですか? この内容でいいですか?」ということです。
今回の提言のなかで、見直したほうがいいと思うところがあったら意見と理由を教えてください、ということです。
さらに詳しく
今回の提言の背景には、こんな現状の課題があります。
- 日本では、自転車はクルマとほぼ同じ台数が使われているけれど、安全に走れる道がほとんど整備されていない
- そのため自転車に乗っているときに死亡する人数が多い
- この20年間で交通事故死者数は6割減っているのに、自転車対歩行者の事故件数は横ばいのまま
こうした状況を改善するため、3年前(2012年)に国交省と警察庁は「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」をつくりました。
そのなかで、自転車は『車両』であり車道通行が大原則という観点に基づいて、
- 自転車通行空間として重要な路線を対象とした自転車ネットワーク計画の作成方法
- 交通状況に応じて、歩行者、自転車、自動車を分離した安全な自転車通行の空間整備の考え方
について提示しました。
しかし、対策は遅々として進んでいません。
今回の提言は、「全国的に自転車ネットワーク計画策定が進んでいない現状」を踏まえ、どうして計画が進まないのか、その理由を明らかにしたうえで、自転車事故件数や自転車利用者数が多い市区町村に対して、自転車ネットワークや安全な自転車通行空間を“早期に実現する”ための方策を検討したものです。
こんなこと、気になりません?
これは個人的な意見ですが……
- 歩道を自転車で走れる場所があるけど、危険じゃない?
- 自転車道には「双方向」のものがあるけど、交差点でぐじゃぐじゃになっていて、危険じゃない? 正面衝突の危険もあるし。
- 最近、車道の左に「矢羽根」マークがあるところが増えたけど、あのマーク、細すぎない?(※あのマークの上しか自転車は走れない、というのは誤解だそうです)
これはほんの一例ですが、今回の提言案に関係することです。こうしたことが気になるなら、ぜひ意見を提出してください。
意見を書くときに重要なこと
提言案を読む
意見を書くには、提言案を読む必要があります。
提言案とは、これです。※PDFが開きます。
「自転車ネットワーク計画策定の早期進展」と「安全な自転車通行空間の早期確保」に向けた提言(案)
長いけど「この提言案に対する意見の募集」ですので、これを読まないわけにはいかないのです。ここはひとつ、がんばりましょう!
意見の提出方法
意見の提出方法は3つ
- メール
- ファックス
- 郵送
です。
意見の提出書式は決まっています!
意見は決められた書式通りに書く必要があります。
書式は簡単です。
【意見公募要領】※PDFが開きます。
※必ず目を通してください。書式が書いてあります。
「役所しごとだなぁ……」などと思わず(思うけど 笑)、せっかく書いた意見が書式“外”でムダになった、なんて悲しすぎますから、必ず「意見公募要領」に目を通して、書式に従ってくださいね。(これについては本記事下部に追記しました)
なお、氏名などに関する注意事項も記載されていますから、絶対に目を通してください。
補足:意見の書き方がいまひとつわからない人のために
意見は、こんな感じで書きます。
6.意見
【該当箇所】
Ⅲ-2.安全な自転車通行空間の早期確保に向けた提言
(1)路面表示の仕様の標準化
1)自転車のピクトグラム(12頁) について
【意見】
自転車のピクトグラムは、その幅を75cm以上とするとありますが、******してください。
【理由】
なぜなら******だからです。
※「6.意見」の「6」って何だよ? と思うかもしれませんが、意見提出書式に従うためです(これについては本記事下部に追記しました)。貴重な意見がムダになってしまわないように、必ず「意見公募要領」に目を通してください。(しつこくてゴメン)
その他
誤字脱字はご容赦いただくとして、「そこ、間違ってるよ! チャリダー★ライターさん、それじゃあ意見が書けないよ!書いてもムダになるよ!」みたいな深刻な間違いを発見した方は、ぜひお知らせください。当サイトの右上のバナー「お問い合わせはこちら」からお願いします。
私自身のない人脈をたどって、専門家にチェックしてもらおうと奮闘中ですが、これを読んでいらっしゃる皆さまこそが頼りです。力を貸してください。よろしくお願いします。
なお、深刻な訂正があった場合、随時、当ページに追記します。
【関連記事】
・【急募】自転車好きの方、協力してください。国交省と警察庁が意見を求めています~自転車の交通安全対策について~
【追記2015年12月12日】
NPO自転車活用推進研究会(自活研)の方に確認してもらったところ 「この内容で大丈夫です」とのことです。
あと、役人も人間なので、そんなに冷たくないみたいです。書式に関わらず、日本語で書いてあれば読むそうです。(お役所の方、書式原理主義みたいに書いてごめんなさい)
ここからは私の蛇足ですが、自活研の方に見てもらったのは、「みなさんの意見がムダになってしまうような間違いは、このブログにないですよね」ということです。文責は私にあります。また、このブログに自活研の色はついていません(当たり前だけど……だって、これ、私の個人ブログですから 笑)。ぜひ、みなさんご自身のご意見を送ってくださいね。