【協力のお願い】東京都がパブコメ募集~おかしな自転車計画に魂の提言を!締切は2/23~
東京都が自転車の安全な利用を促進するための計画案をつくりました。この案に対して、都民の意見(パブリックコメント)を求めています。
「改定東京都自転車安全利用推進計画(中間案)」について意見を募集します(東京都webサイトに飛びます)
提出期限は2016年2月23日(火)までです。
※計画案の概要(※PDFが開きます)
※計画案の全文(※PDFが開きます)
何について意見を求めているの?
東京都は自転車の安全利用について、都・自転車利用者・事業者などの取組を推進するための計画案をつくりました。今回募集するのは、この計画案に対しての意見です。
なお、この計画案は今回のパブリックコメントを反映後に確定され、2016年度から2020年度(つまりオリンピック開催)までの施策が実施されることになります。
計画案の中身をざっくり解説
ここからは私見が入ります。あまりにもトンデモな計画案なので、嘆きと怒りがないまぜになった偏向ありの見解であることを、あらかじめお断りしておきます。
都の計画案は、ひと言でいえば「他人任せ、他力本願」です。
ほとんど全ての取り組みは、自転車利用者や事業者、区市町村や警視庁を行動の主体とするもので、都はそれを依頼・推進するだけです。都自ら駐輪場をつくったり、自転車教室を開いたり、自転車が安全に走れるインフラを整備するという発想・内容はありません。
何も言っていないに等しい「理念」
都はこの計画案で、「社会全体で自転車の安全利用に取り組み、自転車事故がなく、自転車の交通秩序が確立された社会を実現する」という理念を掲げています。
耳に聞こえのいい理念ではありますが、これは当たり前の話で、何も言っていないに等しいものです。都市の将来像を示していないため、具体的な施策が場当たり的で、効果不明の意義のないものになっています。
(私自身は、環境や健康などの崇高な目的を持って自転車に乗っているわけではありませんが)都が税金を使うのであれば、その理念は「環境に優しく、健康増進に寄与する自転車を活かし、どんな都市をつくるのか。それによって都にどんな利益をもたらすのか」を示し、施策は「その都市像を実現するための具体的な行動」を示すものでなけばならないと思います。
他力本願の「施策」
都は理念に基づき、主に3つの施策をまとめています。
- 死者数減少に向けた取組の強化
- 事故数減少に向けた取組の強化
- 放置自転車台数減に向けた取組の強化
一見よさそうに見えますが、その中身はというと、学校や販売店、企業、商業施設などにリーフレットやDVDを配布して、利用者を指導教育するように求める啓発活動が中心です。なかには、メーカーに対して、自転車用ウィンカーの開発・普及を図ることを求めるという、むちゃくちゃな項目まであります。
東京都自ら安全に走れるインフラを整備したり、自転車教室を開いたり、都営の駐輪場をつくったりするような施策計画はありません。
つまり、総じて他人任せなのです。
教育は必要ですが、リーフレットやDVDに効果はあるのでしょうか。というのも東京23区では、区報を戸別配送している自治体が多く、区報には必ずといっていいほど、何回かに一度は自転車利用のルールや現状の問題点について書かれているのです。にもかかわらず、自転車の死者数・事故数・放置が相変わらず問題の柱として取りあげられるということは、効果がないということではないでしょうか。
昨年都民全戸に配布された冊子「東京防災」はメディアに取りあげられて全国的に話題になりました。しかし話題になることと、効果は別のものです。「東京防災」を配布したことで、それぞれの家庭がどんな対策を、どれぐらい行ったのか。それによってどう安全になったのか。
検証に基づく効果を期待してのリーフレット・DVD作成なら意味があると思いますが、私の実感としては、情報の一方通行であるリーフレット・DVDに効果はほとんどありません。少なくとも費用対効果が低いものだと思います。
自転車を大好きな方も、嫌いな方も、もしよければ手伝ってください
すいません。ちょっと愚痴がすぎました。
自転車が大好きな方はもちろん、自転車に危ない目にあわされたことがあるから自転車が嫌いという方も、この問題に関心がある方は、ぜひ、手伝ってください。
意見の提出期限は2016年2月23日(火)までです。おかしな自転車計画案に、魂の提言をよろしくお願いします。
「改定東京都自転車安全利用推進計画(中間案)」について意見を募集します(冒頭と同じ「東京都webサイト」に飛びます)