『スター・ウォーズ』は楽しいとは言えない~オビ=ワン・ケノービの俳優がぼやく~
「この映画は楽しいとは言えない。くだらないせりふ(中略)私の演じる人物の性格がはっきりせず、耐えがたく感じられる。」――これは、オビ=ワン・ケノービ役の故アレック・ギネスが、1976年に友人に宛てた手紙に書いた言葉です。
撮影当時は、まさかこの作品が、後に世界を熱狂させることになるとは思わなかったんだろうなぁ。ましてや、この手紙が公の目にさらされるなんて。
こんな人の目を引く手紙ばかりを集めた本が『注目すべき125通の手紙』 です。
手紙はその人そのもの
ヴァージニア・ウルフが自死する直前に書いた夫宛への手紙、連続殺人犯の切り裂きジャックが自警団長に宛てた手紙、統合失調症患者が夫に宛てた手紙など。
どうやって集めたのかわかりませんが、この本には有名無名をとわず、人が人に思いを綴ったプライベートな手紙が125通紹介されています。胸をうつものもあれば、ショックを受けるものも。
手紙の翻訳だけでなく、原本のスキャン画像が載っているものも多く、肉筆やインクのシミ、折りジワなどから、書き手の存在が確かに感じられます。
メールだからといって想いが弱いわけではないのだけれど
手紙にはメールにはない何かがあると思います。なんて書くと、アナログ懐古趣味のイケメン(?)の戯言と笑われそうですが、メールの「あけましておめでとう」と、年賀状に直筆の「あけましておめでとう」では、受け取るイメージが違いますよね。
まがりなりにも言葉で飯を食っている人間としては、「直筆じゃないと伝わらねーものがある」などとは口が裂けても言えないし、言いませんが、「同じ文面なら直筆にはかなわねーな」とは思います。
デジタルで人の心に届くものを書くためには、プライベートな手紙以上に相手のことを思って書かないとだめだよなぁ。
あらためて書くことの難しさと魅力を感じた一冊でした。
きょうも訪ねてくれてありがとうございます。
最新作はどうかわからないですが、R2-D2の中に人が入っているのは、微妙に揺れるアナログな動きなんかを再現するためらしいですよ。聞きかじりの情報ですが。
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